汗っかきなパヤオ

私は汗っかきだ。
デスクワークがメインであるのに、だ。
どれくらい汗っかきかというと、ワキの下にできる汗ジミが広がりすぎて、
服全体に染み渡るほど。
そのおかげで、汗ジミなのか、元々そういう色の服なのかが見分けが付かない程なので、
事なきを得ているのだ。

そんな私であるが、とあるアイテムを見つけた。
これはかなり画期的。いや、この問題を全て解決してくれるのでは?と、
期待せずにはいられない程、胸の高鳴りを感じている。

サラノンEX」。これだ。
なんと、指先に一滴だけ落とした謎のクリームを脇の下に塗るだけで、
わきの下の汗とニオイを押さえるというスグレモノだ。

「これは使える!」

そう確信した私は、早速サラノンEXに関する情報を集める事にした。
情報を集めるために、真先に思い浮かぶのは・・・?

・・とその前に、少し愚痴らせて欲しい。
近頃の人類ときたら、「失笑」や「破天荒」等、本来の意味とは違う意味で使っているパターンが多く、
語彙力というか、言葉のレパートリーがどんどんと少なくなり、そして間違った意味が広がってしまっている。
便利な言葉として使われる場合も多く、本来の意味を成していない言葉達がかわいそうでならない。

そして、少し調べれば分かることを、すぐ人に聞きたがる性分も困りものだ。
私のようにまずは自分で調べてみるといった行動を起こさないでいる。
(これを俗にググれ!とも言う)
なんとも受身ではないか!もっと攻めていかなければ、この競争原理で凝り固まってしまった現代では生きてはいけまい。

少し話がそれてしまった。
情報を集める方法の話をしていたのに、話が脱線しているではないか!
これは私の悪い癖でもあるので、寛容願いたい。

さて、情報を集めるとするか。
真先に私は「Yahoo知恵袋」へ質問を投下することにした。

ん?ちょっとまて。何故自分で検索して(ググる)情報を調べないのかって?

確かに私は、どんな情報であれ、自分が納得するまで情報を集め、
そして納得できるだけの理由を収集しなければ気が済まない性格だ。
だから、自分で探すことを放棄して、すぐ人に聞きたがる人間を見ると、
ついつい「ググれよ」と心の中で呟いてしまうのだ。

しかしながら、今回の場合は別だ。

「サラノンEXは有効なのか?」

この情報を例えば、ググって探してみたとしよう。
検索結果もたくさん出てくるだろう。

ところがどうだ!
その検索結果に出てくる情報は、どれもにたりよったりで、
深く追求された情報は出てこない筈である。
(ちなみに実際に検索したわけではないのでこれは推測の域を出ないのだが・・)

その似たり寄ったりの情報、或いは、中身の無い情報に振り回される時間はいったいどれくらいか?
1時間?2時間?半日かかるかもしれない。
いや、下手をすると1日丸々使ってしまうかもしれないぞ。

・・・だったら、有名なサービスを効率的に使ったほうがいい。
有名であればあるほど、利用者もかなりの数となっているであろう。
そしてこれだけの利用者を誇るYahoo知恵袋であれば、
私が求めている”答え”も即座に導き出されるに違いない。

先程 -すぐ人に聞いてばかりで自分で探そうとしない- と言ったが、
今回の場合はその中には含まれていないと断言しておこう。

何故なら、すぐに答えが導き出される手段を知っているのに、それを使わないというのは、
目の前に車があるのに、走った方が早いと考えている程に愚かな考えではないのか?
自分で走るよりも、車に乗ったほうが早いというのは、幼稚園児でも分かることではないだろうか?

そう。今の私はまさにその状態なのだ。
ググる方が早いか、Yahoo知恵袋で聞くほうが早いのか。
結果は明白である。

そして私は、自信をたっぷり込めた文面を「たったの5秒」で考えた後、
質問を投稿するためのボタンを軽快にクリックした。
そう、ウジウジと質問内容を考えていても時間の無駄なのである。
私くらいになると、たったの5秒でも、的確で物事の本質を捉えた質問文を考えることに、
聊かの労力も必要ないのだ–

質問内容「サラノンEXについて教えてください」

ふぅ・・。我ながら見事な質問内容じゃないか。
この一行ばかしの、20文字にも満たない文章に、私の全てが込められているのだ。
自画自賛ではないが、この手際のよさにはいつも身震いする気持ちになる。
現に今も、ブルブルと身震いが止まらないではないか!

–さて、私はすぐに結果を求めているわけではない。
自分で言うのもなんだが、すぐに結果を求めるような肝の小さな男ではないのだから。

私は、一仕事終えたかのような表情で、少し駆け足でトイレ(小)へと入っていった。

・・・数分後

私の携帯にメールが受信されていた。

「早いな・・。」

そう呟いた私には、少し笑みが漏れている。
この笑みは、自然に出たものだ。
なぜなら、このメール受信も含めて、自身の予定通りに進んでいるから・・である。

メールの内容は、先程投稿した質問に対して、レスポンスが付いたことを知らせるメールだ。
早速、先ほどの質問内容に対して、誰かが返事を返してくれたのだ!

もちろん、ここまでは予想の範疇ではあるが、
ここまで素早く私の求めている結果が手に入るとは思ってもいなかった。
最低でも数時間は要すると予想していたからである。

まあ、先ほども言ったが、あくまで予想の範囲内ではある。
が、あまりにも予想通りに事が運んだので、思わず呟いてしまったのだ!

「さてと・・・」

私は、すぐにその結果を見ようとはせず、まずはコーヒーを淹れる事にした。
慌てなくても結果が逃げるわけではない。
今の私の優先事項は、まずはコーヒーを飲むことである。

この振る舞いにしても、普段からの私の癖のようなものが自然と出ている。
人間、何事においてもがつがつとしていては、上手くいく事柄も失敗に転じてしまうというものだ。

さて、淹れたてのコーヒーを一口・・・。
口に含み、香りと味を堪能し、喉から胃へと流し込む。

「・・・うまい」

私くらいになれば、コーヒーを一口飲むだけでも、これだけのステップを踏んでいるのである。
「味わう」とは、こういうことではないだろうか?

コーヒーの香りと味を楽しんだ後、ゆっくりと椅子に座って、
PCを再び起動させる。

もちろんPCは「スタンバイ」ではなく「休止」状態にしてある。
豆知識ではあるが、スタンバイ状態でもPCは電源を消費している。
「休止」状態にしておけば、少なからず電力の消費はあるが、スタンバイ状態程の消耗は無い。
かつ、電源を落としたPCを再び起動するよりも短時間で復帰できるのだ。
これは豆知識としてメモしておくといいだろう。

「カチ・・・カチ・・」

先程私が質問した内容をチェックしてみよう。
さて、私の質問内容に対して、いったいどのような答えが返ってきているのだろう?

想像するに、私の的確で本質を捉えた質問内容に対して、
まずは賞賛の声があがることだろう。

「的確で分かりやすい質問内容ですね」
「短い文章なのに質問の意図がよくわかります!」
「ちらっと見ただけだったんですが、全ての内容がわかりました。素晴らしい質問ですね」

ま、こんなところだろうか。
さすがに表立ってこういったことを回等文章に書いてしまうと、
他の閲覧者が快く思わない可能性もあり、実際に書く回答者も少ないとは思うが・・・
きっと、心の中では、このような気持ちで溢れかえっているに違いないだろう。

さて、回答を見てみるかな。
どれどれ・・・

 

 

 

 

 

 

 

回答:弱情乙 ググれカス

 

 

 

・・・続く。

今日の心の種

今日、ふと時計を見たら午後2時22分だった。
ぞろ目。昨日もふと時計をみたら、2時22分だった。
そう、これが心の種

パヤオ 心の種・・・

今日から綴る、パヤオの心の種とその記録。
現代社会から失われつつある心の種を探しに出かけます。

合言葉は、ぱぱぱぱパヤオ!ウェイ!